フッ素イオン計
フッ素イオンとは
例えばフッ化カルシウム、フッ化ナトリウムが水に溶解すると加水分解によりフッ素イオンが水中に遊離して存在します。温泉地帯の地下水や河川水には多く含まれることがあります。又、半導体工場等でのフッ酸処理水にも多くのフッ素イオンが含まれて河川に放流される場合があります。フッ素イオンは水質汚濁防止法で工場で濃度の適切な処理と測定が必要とされています。 
フッ素イオンの測定方法
イオンクロマト法、吸光光度法、イオン電極法がありますが、イオン電極法は操作が簡便で迅速な測定が可能になります。 
イオン電極法とは
水中のフッ素イオンに選択的に応答するフッ化ランタン固体膜を使用したフッ素イオン電極は 0.1~10000mg/L位までのフッ素イオン濃度に比例して対数直線的に濃度出力信号が出力されます。この電極信号を演算増幅⇒デジタル表示してフッ化物濃度を測定することができます。測定時はイオン活量強度や流速の影響を無くす為にマスキング剤(ISAB)を検水に約2%容量を加えて校正と測定をすることが望まれます。但し、本イオン電極法は水中の遊離状態のフッ素イオン濃度が対象です。結合した状態の全フッ化物濃度はそのままでは測定できませんので別途に蒸留操作が必要になります。フッ素イオン電極法はJIS法等に採用された測定方法です。
フッ素イオンの電極寿命は 
使用条件や保管状態により電極の性能劣化の程度は異なりますが、寿命の目安として1~3年位。イオン電極は基本的に消耗部品です。電極の保守として、常に汚れを拭き取り、セラミック液絡部は湿った状態にして乾燥させないで下さい。もし乾燥した場合は、ぬるま湯に24時間程度電極を浸して十分に電気的に導通するようにしてから測定が必要です。
妨害イオン特性(フッ素イオンに対する濃度比率=選択係数)
Al3+、OH- ・・・・・・・ 1/10 
Fe       ・・・・・・・ 1 
Ca       ・・・・・・・ 100 
I-、Br-、Cl-、NO3- ・・・・・・・ 1000 
フッ素イオン電極、妨害イオン対策
アルミニウム、鉄(Ⅲ)、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、OH-等のイオンが溶液に共存すると、錯体を形成し、フッ素イオンが妨害されてしまう。特に、鉄、アルミニウム、水酸イオン(OH-)が問題とされています。そこで、これらの妨害イオンを除去する手段として、マスキング剤(TISAB=Total lonic Strength AdjustmentBuffer)を検水に連続的に添加する方法を検討しなければなりません。 
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